毛皮のマリー
記事にするのをすっかり忘れておりました・・・・・![]()
4月11日(土)に、テアトル銀座で『毛皮のマリー』を見てまいりました。
美輪明宏さんの舞台は3度目です。
たしか2005年にテアトル銀座で『黒蜥蜴』を初めて見て、衝撃を受けました。このお年で、ここまでやるとは!本当にすばらしかったんですよね。
文庫本を読むと、舞台もほとんど三島由紀夫の小説のままのセリフなんですけど、この言葉遣いを普通に演じてさまになるのは、やっぱり美輪さんくらいですかねえ。
実に気品のある女泥棒でございましたね。演出もよかったです。
よく通る声で、決して張り上げているのではないのに、後ろまできっちり届くのです。さすがといいますか、底力を見た気がいたしましたね~。
そして、2007年には『双頭の鷲』を見ました。こちらは、銀座のチケットが取れず、グリーンホール相模大野まで友人Tと遠征。
このときはたしか衣装がワダエミさんで、ちょっと2階席で遠かったけれども、本当にすばらしい舞台で、観客もスタンディングオベーションでしたね。
無駄な音楽がなく、2階までドレスの衣擦れの音が聞こえるんですよね~。とてもよかったです。
そして、3度目が『毛皮のマリー』。
寺山修司さんの作品は初めて見たのですが、ちょっと演出がショーゲキでした![]()
もともと初演が1967年で、アングラな雰囲気のところでやっていたものだったと思うので、大劇場でやると、かなーり刺激がw
観客のほとんどが女性、しかも年配の方も多いんですが、皆さんどう思ったのかな~。
もともと、この劇は男性しか出ないというのが前提で書かれているんだそうです。
マリーは、美輪さんを前提にあて書きされているんですね。
ストーリーが、またちょっと一筋縄でいかないんです。こちらをどうぞ→★
世界一ゴージャスな男娼マリーがいて、息子として欣也(吉村卓也)という美少年が育てられています。もう18歳になるのに外に出たことがなく、マリーが部屋に放つ蝶を追いかけて暮らしている、世間知らずの坊ちゃん。
マリーは、下男(麿赤兒)や欣也と暮らしているのですが、実は部屋の賃料を滞納していたりします。しかし、猫足の浴槽で優雅に入浴し、下男にムダ毛の処理なんかさせたりして・・・・。
そして、夜な夜な美しい肉体の男を連れ込んでいたりするんです。
欣也は、そういうところを一切見せられずに、半ズボンの純粋な少年のままでいる。欣也の前では、マリーは厳しいお母さんをしています。
ある日、マリーがでかけたすきに、同じマンションに住む紋白という美少女(若松武史)がやってきます。
この美少女、さるやんごとなき方の愛人らしいんですが、外に出たことのない欣也に興味を持ち、誘惑しに来るんですね。この胸(つくりものですけど)を出した衣装もすごいですよね~。女!というのを象徴させているんでしょうね。
欣也は蝶を追いかけて標本にするのが好きなのですが、この少女の名も紋白で、この劇の中では蝶が一つのキーワードになっているみたいです。舞台装置にも使われていました。
紋白はモー娘。の「LOVEマシーン」にのって登場するし、外からの誘惑を表しているのかな。
そして、下男であり、醜女のマリーの役をやる麿赤兒さんがまたすごいんですよね。
この下男、マリーがいないときに、実は自分が『醜女のマリー』と呼ばれていることを独白し、赤いドレスを着て、かつらをかぶり、一人踊るんです。

まさに怪演というのがぴったりな、何ともいえない退廃的な雰囲気がただよっていました。もともと舞踏家でもありますからね、ハイヒールで踊っておられました。
でも、どこかコミカルなところもあって、ほかにも下男やメイドさんがいるので、その人たちと絡むときは、ちょっとおもしろいところもありました。
ただ、この麿さんの妄想の世界で、たくさんの美女の亡霊や、かなりエロティックというか、いろんな装束を着た男性たちが現れ、踊り始めます。
中にはほとんど裸といってもいい人たちも。![]()
この人たちがラインダンスをする場面があるんですけれど、目のやり場に困りましたww
私は結構後ろで見ていたからいいんですけど、あれ、一列目の人はどうすんだ~と、要らぬ心配をしてしまった。![]()
ある日、マリーは、今まで見たことのないたくましい肉体を持った、名もない水夫(菊池孝則)を連れ込みます。この水夫、学はないけれども、魂は純粋なんですね。
いろいろ話をするうちに、マリーは戯れに欣也の本当の母親の話を始めます。 うそかまことかわからないその話を欣也が聞いてしまい、ショックを受ける。
そして、また紋白がやってきて、欣也を外へと誘う。欣也はどうにも感情を抑えられなくなり・・・・・。
ついに、彼は外へ向かって出て行ってしまいます。それを知ったマリーは、欣也の名を叫びながら、『きっと帰ってくる』と待ち続けるのです。
最後、世俗に触れ、ぼろぼろになった欣也は、マリーのもとに帰ってくるのですが・・・・・
何とも悲しい舞台というか。ラストシーンは、まるで仏像かギリシャの女神のようで、美しいの一言でしたけどね。
寺山さんが育った青森の心象風景を映し出しているのでしょうか、暗さの中に、エロ、グロ、デカダンス、そしてエレガンスといった要素が渾然一体となった舞台でありました。
前に見た舞台と比べると、美輪さんの登場時間が少ないように思いました。でも、美輪さんが舞台に出てくるだけで、物語がびしっとしまる。やっぱりすごい人です。
今回、欣也役はオーディションで選ばれ、純粋無垢な感じの人ということで選ばれたそうです。
今までは、及川光博、武田真治、いしだ壱成といった、ちょっと屈折した影のある人をキャスティングしていましたが、今回は全くタイプが違っていました。
小説よりも現実の方が信じられないようなことが起きる、こんな時代だからか、まっすぐで汚れたところのない、ハンカチ王子のような人をと美輪さんは考えられたのだそうです。
これはこれでよかったのですが、屈折したタイプだったらどうだったのかな~と、そちらも気になってしまいました。半ズボンのミッチーも見たかったわん![]()
パンフレットのインタビューには、この物語は、欣也とマリーは、寺山さんとそのお母さんがモデルだとありました。そして、紋白は、寺山さんと結婚した女性を表していると。
つまりは、母から息子を奪っていく女性は悪なんでしょうね~。![]()
母子愛が基礎にあるんですが、そこに、差別とか貧困など、社会へのメッセージというか、いろんな要素が入っているんだそうです。
難しいわけだ・・・・・・。
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 銀座で画廊~(2009.10.19)
- 『蛮幽鬼』(2009.10.18)
- BuleImpluse!!(2009.10.15)
- 「パパ、I Love You!」(2009.06.22)
- ルーブル美術館展 in国立西洋美術館(2009.05.23)




コメント
こんばんは☆彡

毛皮のマリー、土曜日に観劇をご一緒した友人も
観に行ったと行ってましたよぉ。。。
コンサートとかも行くみたいでやっぱり凄いオーラなんだってね~
寺山さんの作品は独特の世界観がありますもんね。
三沢市にある寺山修司記念館にいつか行ってみたいと思ってます。
美輪さんも生で観てみたいなぁ、あの世界に浸ってみたいです
投稿: Rie | 2009年5月11日 (月) 21:48
すごい舞台だったね!パンフレットは買わなかったけどそんなインタビューがあったのね。精神的母子相関図 男の子は一時は蝶をもとめその魅力にまどわされるが 最終的には(子孫繁栄のお仕事も済ませたら)またふたたび母のもとに帰ってくるという永久的マザコン像の話…男は皆マザコンだしマザコンでない男は優しさがない マザコンであることを意識していれば問題はないんだけどね。深いね…
麿赤兒 今度是非駱駝艦の舞踏を見てみたい!
三輪さんに贈られた花つきあいの広さを感じるよね。ピカチュウからもきていたね。
投稿: neco村 | 2009年5月11日 (月) 22:11
★Rieさんへ
お友達もごらんになったのですね~。
どんな感想だったのかな~。
結構、今回はすごかったよ、演出が・・・
ちょっとついていけない感じもあったのです
なぜなら、私、マッチョな男性は余り好みでないからwww
倒錯した世界だったわねえ。
でも、お年がお年なので、この舞台はもうできないかもしれないとおっしゃっているので、見ておかなくては!と思った次第です・・・
★neco村さんへ
すごい舞台でしたよねー
紋白が登場するとき、LOVEマシーンがかかりますけれど、昔の舞台はどんな曲だったんでしょうね~。
マリーの欣也に対する、屈折しつつも激しい愛情は、やはり寺山さんのお母さんが投影されているようですね。実際に、物すごく激しい人だったようです。
寺山さんの奥様も美輪さんたちの座談会インタビューに入っていて、そのあたりもパンフに載っていました。
美輪さんの交友関係はすごいですよね!ピカチュウもあったんだww
投稿: ぺんた | 2009年5月12日 (火) 01:04